AD-COATは、国内外の多くの建築物に使用されている浸透性吸水防止剤です!

※下記資料は、資料ダウンロードページより取り出すことが出来ます。

1.目的 

  浸透性吸水防止剤には、定められた試験方法や評価基準が無く、製品性能が解りにくいとの意見が多いため、複数の製品を同じ
  条件で 比較試験し報告書としました。



2.試験内容

  浸透性吸水防止の吸水防止効果の試験 浸透性吸水防止剤を塗布する事で、石材の吸水率をどれくらい低下させられるかを
  確認します。
  試験に使用する石材は、吸水率が最も高いライムストーンと御影石で行ないます。大理石(ライムストーン)及び御影石(錆石)に、
  浸透性吸水防止剤(5製品)を塗布し、1ヵ月間の吸水率を測定しました。

 

3.浸透性吸水防止剤の選定

  試験を行なう浸透性吸水防止剤は、市販品の4製品及びAD-COATの浸透タイプを選定しました。

  試験体1 (ライムストーン)

  無塗布 ①他社水性品 ②他社フッ素・シリコーン系 ③他社フッ素系 ④他社フッ素・シリコーン系 AD-スーパー

  試験体2 (御影石(錆石・本磨き)

  無塗布 ①他社水性品 ②他社フッ素・シリコーン系 ③他社フッ素系 ④他社フッ素・シリコーン系 AD-ホワイト

  測定器具 ザウトリウス 社製精密電子天秤BP310S 秤量310g 最小0.001g

 

4.コート剤の塗布方法及び養生時間 

 塗布量の決定 ライムストーンに対しては1㎡当たり200g、御影石は100gと定め、試験石材の表面積に対して割出したグラム数を
  試験体全体に塗布します。

※塗布後、常温で5日間養生を行い、試験体としました。

 

5.吸水率の測定方法

 水道水を入れた容器に試験体を入れ、翌日から一ヶ月間の重量測定を行ないました。

  決められた日時に水の中から試験体を取り出し、表面を乾いたウエスで拭き取り、試験開始時の重量に対しどれくらい水分を
  吸水したかを比較しました。

 

6.試験結果

  試験体1(ライムストーン)

  1ヵ月間の吸水試験で、他社品④(フッ素・シリコーン系)とAD-スーパー以外は、ほとんど無塗布の石材と同じ吸水率となりました。
  試験終了後に試験体をハンマーで割り、石材内部の浸透層を確認したところ、1㎡当たり200g相当量も塗布したにもかかわらず、
  試験体②・③には0~0.5mm程度の浸透層しか出来ていませんでした。
  試験体④及びAD-スーパーは5mm以上の浸透層が出来ており、吸水防止効果の差がはっきりと現れました。
  どの試験体も表面の色合いはほとんど同じ状態ですが、試験体を割って中を確認すると、浸透層が出来ている試験体は中が乾燥
  していますが、表面撥水だけの試験体は内部が濡れ色になっています。

 
  ライムストーンの吸水率(%)

 

 試験体2(御影石・錆石)

  他社品①(水性品)を除く他社製品は、ほぼ同等の吸水防止性能でAD-ホワイトが最も吸水防止効果がありました。

  浸透層は、全ての試験体に出来ましたが見た目は同じでも、浸透層の強さ(撥水性・密度)の違いが吸水防止性能の差として
  現れた結果となりました。 製品①の水性品は、表の磨き面にほとんど浸透層が出来ていないことから、コート剤の不揮発分
  (固形分)が御影石に浸透しにくいと思われます。


  御影石の吸水率(%)


 

7.まとめ   

  今回試験に使用した製品は、全て石材用の吸水防止剤として市販されている 製品ですが、塗布後に色が戻らない製品や、
  石材にほとんどしみ込まない製 品もあるなど、石種によっては使用出来ない物もありました。 また、浸透層が出来ない
  3品目も表面は1ヵ月後でも濡れ色にならない事から、壁面での使用には可能と思われますが長期的に見た場合の
  持続性には疑問が残ります。
  また、床面に使用した 場合には、吸上げ防止効果は期待できないと思われます。 ライムストーンに使用した他社品④と
  AD-スーパーに関しては、浸透層も 深く出来ており、壁面、床面のどちらに使用しても長期的な吸水防止効果及 び
  吸上げ防止効果が期待出来るものと判断します。
  今回の試験方法は、規格で定められた物ではありませんが、同一の試験体と 試験方法で行なっているため、1つの製品評価
  にはなると思います。