AD-COATは、国内外の多くの建築物に使用されている浸透性吸水防止剤です!
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AD-COAT(浸透性吸水防止剤)は、一般の撥水剤のように表面撥水を目的とした製品ではありません。

  
AD-COATは、水を弾くのではなく、水を吸わなくさせる事が目的の製品です。    
石材に限らずコンクリートや木材なども同じで、吸水性があることが原因で汚れたりカビが生えたり劣化したりします。 
AD-COATは、吸水性のある素材に浸み込み、空隙を緻密にして水や汚れの染み込みを防ぎます。  
また、裏面から上がってくる水分を止め、表面に濡れ色現象を発生させません。    
AD-COATと撥水剤は同じものと思われがちですが、性能や使用目的が違う事をよくご理解頂いた上で採用をお願い致します。
            
撥水剤とは?          
撥水剤は、石材表面(素材の表面)に付着し、水を弾くことで汚れが素材に付くことを防止します。   
但し、摩擦や紫外線に弱く、その性能を長時間維持する事が出来ません。     
そのため、車のボディーやガラスの撥水剤のように定期的な施工が必要です。     
また、圧力が加わると撥水基が倒れて、汚れが浸み込んでしまうので歩行面などには不向きです。   

 

AD-COAT(浸透性吸水防止剤)とは?      
AD-COATは、石材の中に染み込み、浸透層を形成します。    
撥水剤のように強い弾きはありませんが、この浸透層が水の染み込みを防ぎ、汚れやシミ、劣化を抑制します。
AD-COATは、石材内部に層を形成するため、歩行などの摩擦にも強く防汚効果が長期間続きます。
但し、層の厚みはコート剤の塗布量に比例するため、塗布量が少ないと効果は期待できません。 
※浸透性吸水防止剤は種類が多く、全ての製品が同じ性能を発揮する訳ではありません。  
 ご使用前にテストを行い、目的に適した製品か否かを確認して下さい。   

 

Q.床に使用した場合のAD-COATの耐久性、耐摩耗性はどうですか?     
.石の中(素材)に染み込んだAD-COATは、成分が取れて無くなったり、溶け出したりすることはありません。 
  但し、コートの成分は石の細孔の中(鉱物間)に存在しているため、石自体が歩行によって削れたり、酸性雨で溶けたり、
  割れたりすると石と一緒に落ちてしまいます。       
  例えば下の写真は、御影石に染み込んだAD-ホワイトの浸透層を確認した写真ですが、この浸透層が全て削れて無くなら
  ない限り吸水防止効果がゼロになることはありません。      
  また、浸透層の厚みは塗布量によって大きく左右されます。      
  正確な塗布量は、石の吸水率によって異なりますが、目安としては表面の仕上げ(磨き・バーナー等)に関わらず、 
  御影石の場合でAD-ホワイトを1㎡当たり100cc、吸水率が高い石種の場合はAD-スーパーを1㎡当たり 
  200cc以上塗布してください。        
  塗布量が少ないと浸透層が薄く、本来の性能を発揮しません。(浸透層は5mm以上確保してください。)  
  ※必要に応じて、吸水防止試験や吸い上げ防止試験を行いますのでご相談ください。    

 

  下の写真は、塗布量と浸透層の関係を調べた時の写真です。AD-COATの浸透層は塗布量に比例します。

  塗布量を変えた時の浸透層                    塗布量が一番少ない石材                      塗布量一番多い石材

 

Q.耐候性はどうですか?(耐紫外線、高温、酸、アルカリなど)     
A.AD-COATは、撥水によって水の染み込みを防止している訳ではなく、石の中に染み込んで形成された 
  浸透層よって吸水を防止をしています。       
  耐候性に関しては、選定している原料の性能はもとより、石の中に染みこんだ成分が紫外線の影響を受ける事は
     ほとんどありません。        
  耐熱温度は、原料の性質から見て250℃位です。      
  耐酸性、耐アルカリ性については非常に強い性質を持っています。    
  そのため、アルカリ性の強いセメント灰汁の吸上げを止める事も可能です。   
  また、製品塗布後に石貼りをし、引き渡し清掃で酸洗いをしてもコートは壊れません。  
  但し、一度塗布すると剥離することも出来ません。      
           
Q.処理後の対象素材の吸水率は何%くらいなりますか?     
A.吸水率は、石種によって異なりますが、未処理の石と比較して、約8分の1~10分の1程度まで下がります。
  ※必要な場合は、サンプル石にて吸水防止試験を致しております。    
           
Q.AD-COATは裏面処理剤として使用できますか?      
A.AD-COATの裏面処理は出来ません。      
  AD-COATを処理した面は、水を吸水しないためセメントの接着力が低下します。  
  安全のためにも、裏面に吸水防止処理は行わないでください。     
  表面と小口に、きちんとAD-COATを処理することで裏面からの吸上げ現象を防止します。  
           
Q.期待耐用年数(再施工の目安)はどのくらいですか?(実績など)    
A.目安としては、外壁で10年位、床の場合で5年に1回程度の再塗布をおすすめしておりますが、実際に再施工
     を行う時期は使用環境や歩行量によって異なります。     
  AD-COATを施した石材は、吸水率が大幅に低下し、汚れの染み込みや劣化を抑制します。  
  しかし、表面に汚れは付着するため、床面などは日常清掃が必要ですし、外壁も洗浄が必要時期がきます。 
  特に外壁の場合は、足場なども必要になる場合があるため、大規模改修の際に再施工を検討される事をお勧めします。
  再施工の実績ですが、六本木のマンション及び商業施設は、12年~13年目で再施工を行っております。 
  こちらの物件の場合も、特別汚れているからでは無く、建物全体の改修工事に合わせて再施工を実施されています。
  再施工は、表面洗浄剤後、上塗りになります。      
  塗膜を形成していないので剥離作業などはありません。     

 

  メンテナンスの方法         
  日常清掃は、乾拭きもしくは水拭き+乾拭きを行ってください。     
  汚れが付着した場合は、石種と汚れに合った専用の洗浄剤で洗浄してください。    
  洗浄の際に発生した汚水及び濯ぎ水は、しっかりと回収して下さい。     
  残留すると、汚れの堆積や水垢発生の原因となります。      
            
  注意事項          
  1.石自体が酸に弱い石の場合は、酸性系の洗剤は使用しないでください。     
  2.フッ化物(フッ化水素・フッ化アンモニウム)を含む洗剤は石自体を溶かしますので日常清掃には使用出来ません。 
   定期清掃等で使用する場合は、専門業者にご相談下さい。      
  3.AD-COAT処理していても酸やアルカリによる大理石の艶とびを防ぐことは出来ません。   
  4.洗浄剤を使用した清掃で界面活性剤を多く含んだ洗剤を使用する場合は、メーカー指定の希釈倍率を守って使用してください。
  5.このメンテナンス方法は一般手なメンテナンス方法で、実際には石種や現場の状況によって異なります。